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被ばくを差別する人にどうやって説明する?

チェルノブイリ原発事故のあと、チェルノブイリから約180km離れたチェチェルスク(ベラルーシ共和国)という地区がとても汚染されてることがわかりました。
15~40キュリーというひどさ。
(1キュリーというのは、不正確ではありますが深さ5センチの汚染の場合は569ベクレル/kgぐらい。深さ10センチの汚染ならもっとキュリーがあがっていきます)
事故の3ヶ月後ぐらいにその地区の子どもたちは、ロシアのレニングラードに3ヶ月間、保養に出されます。
学校ごと。つまり、子どもたちと教師たちが、政府の命令で保養に出ることになりました。
それは、本当に大変な生活です。
荷物は、途中でスクリーニング(放射能検査)されて、汚染されたものは捨てられてしまいました。
(当時はお金を出せば品物があるという状態ではなかったので、大変だったことでしょう)
さて、保養所について、「先生、ロシアの子どもたちが、チェルノブイリから来たから遊んでくれない」とチェチェルスクの子どもたちが言い始めました。
その保養所には地元のロシアの子どもたちも遊びに来ていたんですね。
旧ソ連は共産主義ですから、差別なんぞあってはならなん、という建前ですから、なぜそんなことが…と教師たちは怒って会議を開きました。確かに一緒に遊ぶことを躊躇する傾向がある。
これはいけないということで。
次の日、科学者の人がやってきて、子どもたちに説明をしてくれました。
「被ばくをするということは、こういうことです。子どもたちを突然プールに投げ入れていきます。すると、大抵の子どもたちはプールから出ても何ごともありません。しかし、中には、プールになげこまれたことで、風邪を引いてしまう子がいます。被ばくをするということは、そんなふうに身体が弱くなるということです。だから、一緒遊んであげましょう」
と説明されて、子どもたちは差別を乗り越えたそうです。
ロシア人らしいたとえ方ですが、とてもわかりやすいですね。抵抗力が落ちるということがどういうことか、子どもたちなりに理解でき思いやることもできるようになると思います。
だからこそ、保養で体力をつける、抵抗力を上げるということが大切になってくると思います。
知らないことは恐れを招き差別や偏見につながりますが、大人が冷静に上手に、ごまかしなく真実を説明することはとても大切です。
今年、チェルノブイリの子どもたちの救援活動をやってきたウラジミール先生のお話しを聞いて、困難な道を本当に長く根気強く歩いてこられたのだと、あらためて感じ入りました。

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