BLOG

チェルノブイリデーにチェルノブイリ法を考える

本日はチェルノブイリデーということで。
チェルノブイリ法のさわりの部分だけ触れてみたいと思います。
なにせ、周辺法律は200にわたるというので、かなりタイトに厳しく!独裁国家ベラルーシでは放射能防護をしております。
チェルノブイリ法は、1991年に、ベラルーシ、ウクライナ、ロシアの各国で、ほぼ同時期に、定められた放射能被害者に対する社会保障制度という位置づけと言えると思います。

・旧ソ連時代に使用していた単位は、Ci(キュリー)
・1キュリーは370億ベクレル。
・汚染された土地が1キュリーというときは、1㎢に370億㏃あるということ。
・図の左はじにあるキュリーの単位によって、被災者救済プログラムが切られている。
・日本ではそのような土壌汚染についての、救済制度はない。
・しかし、放射線管理区域の法律に唯一、4Bq/㎠という単位が出てくる。(615Bq/kg相当)
・1キュリー/㎢は、569Bq/kg(深さ5㎝までの汚染のとき)とみなせる。
よって、1キュリーの汚染は、日本の放射線管理区域とほぼ同等。
つまり、ここまでは旧ソ連と日本の科学は同じだったんじゃないか?
また、100Bq/kgもあれば、ドラム缶に入れて保管してたわけだから、1キュリーがとんでもない汚染だということもわかる。
・故・藤田裕幸氏は1キュリーなどでは人は住めないと言ってた。チェルノブイリから帰ってきてから。
・放射線管理区域では飲食禁止だから、まあそういうことだ。
・緑色の〇はそれぞれ1ミリシーベルトと、5ミリシーベルトとチェルノブイリ法でみなされているが、実際には外部被ばくが6割、内部被ばくが4割とみなされてる。

・現在の単位は、㎢ではなく、Bq/㎡という単位を使用すると国際団体は決めたが、それは、国民から見て救済制度のないスカの単位である。つまり、この単位の汚染をわざわざ、Bq/kgから導き出す手間すら意味がない。スカ単とよんでもいい。
まとめると、キュリーという単位は法的根拠もあり、放射線管理区域も法的うらづけがある。
福島原発事故のこのスカ単報道も結局はチェルノブイリ法と比べて話すしかない。
「フクシマのほうが、チェルノブイリより放出量が低い…うんぬん」いうが、この図を見る限り、フクシマの汚染濃度はチェルノブイリより深刻で範囲も広かった。
ちなみに、魔の555と覚えてほしい。
チェルノブイリでは
555,000Bq/㎡から先に小児甲状腺がんが発生した。

(フクシマでいえば薄い水色がそれに相当する。福島市や郡山市から小児甲状腺がんが出ても放射能のせいだと言えるだろう。全然、低いとは言えない。)
そのため、早々と15キュリー以上は居住禁止にしたのは科学的判断だった。
旧ソ連の科学者は、「科学者ごときが国民の命の基準を決めていいのか?まだ低線量の被害ははっきりわからないのに」
と、倫理も哲学も、備えていた。
そうだ、国民一人一人に「あなたは、本当の意味でリスクがわからない危険地帯に住まわされてしまったが、どうしたい?」と意志確認していないのだ。
倫理も哲学も、科学的に安全証明できない危険地帯ですよと告知する人権的にも、進んでいたから「チェルノブイリ法(救済法)」がつくれた。
ちなみに私たちが保養で子どもたちをよんでいたエリアは、1~15キュリー(最初は、40キュリーエリアの子どももいたがどんどん廃村になっていった)。
国の責任でサナトリウム保養も学校ごとにやってた。
0.3μSvもあれば子どものいる家庭はまずは移住していってた。
いったん汚染地になってしまえば、汚染にむらがあるので、1~40キュリーは混在することはみなが知ってる。
そして、どこに住んでいたか…で、分類されるリスクグループの設定もある。つまり、住んでいたエリアでざっくりと登録してくださいね(ちまちま日本のように裁判で認定などしない)という割には、あなたは7段階のリスクグループの〇です、などそういうところは細かい。リスクグループによって、毎年一回義務付けられている健康診断の内容も違うのだ。
・そのリスクグループの子どもや子孫はみな、リスクグループとされる。

・IAEAなどは、欧州の汚染問題に、欧州人が気づいて騒いでほしくないし、資本主義国の住民が事故のとき移住する…なんて政策は絶対あってはならないと、星一徹のように思いこんでる。
・外国人科学者が正しいかのような日本の官僚が根拠に持ち出しても、井戸川元双葉町長さんに日本の法に基づいてないと論破されてる。
放射能のことがわからないならこれからの国会議員は務まらない。

20ミリシーベルトに国民を住まわせるのは、独裁国家より、人権無視されてる。
今日はそういうことを言ってもいい日なんじゃないのかな?

せめて汚染地域の子どもたちは、サナトリウム(日本の汚染されていない過疎地域の宿泊施設を整備して)で、子どもたちを保養させるぐらいの責任をやったらどうだ?
ベラルーシはずっとやり続けてるのに。恥ずかしい。
あれだけ、チェルノブイリ救援してきて、ベラルーシ大統領が独裁だ!とか非難したこともあったのに。
日本は子どもたちをサナトリウムにさえ出さない。

写真はベラルーシ国内の保養所。

ここに出てるほかにも、私設サナトリウムもあり、そこにも政府から支援が出ている。
14年間、保養はボランティアが主体でしたが、国の責任ですべての汚染地域の子どもたちをだすべき。
その覚悟もなしに、まだ原発にすがってる。
愚かだ。
そして、
日本人は隠すことばかり考えていますよね。
チェルノブイリでは先天異常の子が生まれても、出産したばかりの妊婦さんに見せていたと言います。
かくしてしまうと繰り返される。
ヒロシマナガサキで隠したことを、また隠し続ける。
嘘はダメです。(本当のことだからといって、相手を傷つけてもダメ、どうすりゃいいんだよ、知恵をしぼれ、ということでしょう)

ベラルーシ人で、日本語が話せる人が言った日本の対応。「総合無責任国家」。

追記:最初の汚染の図、深さ5㎝の土壌汚染、とありますが、深さが深くなればキュリーがあがります。
つまり、深さ10㎝で569Bq/kgなら2キュリーです。

  • チェルノブイリデーにチェルノブイリ法を考える はコメントを受け付けていません
  • 事務局日記

関連記事

コメントは利用できません。
ページ上部へ戻る