BLOG

映画「決断~運命を変えた母子避難」

映画「決断~運命を変えた母子避難」。
日本の原発は、「五重の防御があるんだ」「チェルノブイリと炉型が違うんだ」「放射能を出さない出さない」と言ってきた。
だから、防災計画もおざなりだった。井戸川元双葉町町長に言わせたら、ハッピーエンドの防災計画だったと。
そして、放射能を外界へ出しまくってしまったら20ミリすら安全だとして、そこに住め!帰れ!という。これって旧ソ連でさえしなかったこと。
その日本がロシアやベラルーシを独裁だと非難することができるんだろうか?
あちらは1ミリ基準です(1ミリまで被ばくさせるエリアに住んでる人の健康や保養を国が保証、1ミリ以上は移住の権利)。 日本は20ミリに住め!正直どっちが独裁かわからなくなる。
この映画は、地震におびえる全日本人が見てほしい。ヨボヨボの原発がときには火を出したりしながら再稼働してる。
放射能の中に自分とその家族は住めるのか?ってこと。 
避難した家族のリアル。脚色なくただ、たんたんと国に捨てられた人たちが、語る。つらいこと、あるいは出たことでのバッシングを想定すると、 良く語ってくれたと思う。シトシト涙がこぼれた。

映画の最後のシメに、グッサリと、語られるたった数語。
その数語で多くの人が避難できなくされた、美談風の抑圧の言葉が流れる。
これが…これがフクシマ。たった数語で心が凍らされてきた。覆水は盆に返らず…なのに。避難って、自分の人生築いてきたものをゼロからにされる。社会人になったところからやり直すのと同じ?いいや、マイナスから始めるんです。放射能で被ばくして、さらに人間関係を築くところから。地縁血縁すら断たれることもある。
子どもを抱えたり、ときには夫と離れ離れに。人生が流れ出してるときに、方向転換しなければいけない。それも身銭をきって。ローンのあった大切な家を棄てなければいけなかった。
どうして、国が責任もたないんだろう?
放射能を外に出さないと言ったのに。
それがどんなに大変か、そんな運命を自分たちではなく原発事故がもたらした。  チェルノブイリで強制移住させられた人はずっと国を恨んでた。ふるさとが奪われた…!自然豊かな、すばらしいふるさとから地域の人たちがばらばらにされて、都会の団地に強制移住させられたのだから。思い出の品すら持ち出し禁止だった。
なのにフクシマの人が高い汚染地に住まわされてると聞いて、激怒してこう言った。 「移住させないとダメでしょう!!!」
あんなに文句を20年以上(私たちのチェルノブイリ救援のあいだ)言い続けていたのに。内心移住が正しいとわかってるもんなんです。
ただ、あまりの苦しさに愚痴や不満を聞いてくれる人に言うてただけ。
その国民の愚痴に頭を下げる政治家が日本にはいなかった。
今日の、明日の私たちのお話です。 自主上映、費用がかかりますが、有志で出し合うか、地元の反原発団体に声をかけてみてください。 避難訓練など、茶番だとわかります。
今度の事故は自宅待機…という。
前回はあまりに線量があがりすぎて、いますぐ、自力でどこかへ逃げろ!と言われた人たちもたくさんいるのに!
国の未来を救うために、ぜひ取り組んでください。
 救援活動と、反原発がなぜ切り離されてしまってるんだろう?すべて、自分たちのことなのに。 避難のハードルを下げないと、逃げたい人が逃げられない。小児甲状腺がんやリスクをおった子どもたちを早く避難させるべき。
いまだ、この映画の最後のオチがもたらした被災者への奈落の底を感じてる。

間違いなく、原発事故は人々の人生を破壊する。病気になった人たちさえ無視してる。
そしてなくなく帰還させられた人たちも、そして、健康不安があっても、避難できない人たちも、みんなが不幸だ。

「決断~運命を変えた母子避難」

14年は長いよ。映画に出演されてる森松さんの記事をご紹介しますね。
森松明希子
福島→大阪・2児を連れて母子で国内避難中)
原発賠償関西訴訟原告団代表
原発被害者訴訟原告団全国連絡会共同代表
東日本大震災避難者の会 Thanks & Dream(サンドリ)代表
早稲田大学災害復興医療人類学研究所(招聘研究員)

「いつもと変わらない普通の朝でした…」【東日本大震災14年】福島から大阪に避難して14年の家族の歩み
(youtube)

震災2ヵ月後に福島から関西へ母子避難 14年経った今も続く子どもへの“甲状腺検査” 帰還への葛藤と集団訴訟 「自分に置き換えて考えてみてほしい」
(記事)

自分の身に置き換えて考えてみたらわかること。
福島県で400人にもわたる子どもたちが小児甲状腺がんになってる。
これは、今の日本の科学医学の力で放射能のせいとわからない。
だとしても、発症予備軍や発症した子は、保養や移住、させることで、発症の予防や、転移の予防ができるかもしれない。
チェルノブイリの子どもたちの保養って、そういう位置づけだったのですから。
移住できない人や、1ミリ以下の汚染エリアの子どもたち。

牛馬の糞尿がまかれてしまったら、「安全だから気にするな」と言われても、怒って元通りにするように言うと思います。
放射能は匂いも味もない、わからない。
けれど、数世代にわたって後遺症を心配しないといけない物質です。
え?そういう定義を日本は無くしたの?

  • 映画「決断~運命を変えた母子避難」 はコメントを受け付けていません
  • 事務局日記

関連記事

コメントは利用できません。
ページ上部へ戻る