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愛と放射能の天秤 7 8000Bq/kgの土壌は何キュリー?

さて、日本では今、福島原発事故で発生した汚染土壌を再利用しよう、道路やコンクリート、あるいはどこかへ再配達していこうという方向性で動いています。
中間貯蔵施設は、あと15年もすれば約束の30年が終わってしまうので、別の土地に動かさないといけない、という。
ここまでブログをお読みいただければ、チェルノブイリ法の汚染の減衰を待つ…という考え方と根本的に違う方向性を持っていることがわかります。
では、ここで、8000Bq/kgの土とは何キュリーなのか、サバイバルを目的とした日本国民として、計算してみたいと思います。

放射能は私たち一般人が、ウラン鉱山から購入してきたものではありません。
その管理責任は国家にあり、国家が国民を放射能から防護する、社会保障する法律が、チェルノブイリ法であり、日本にはそのような国民を防護するものはありません。
事業者向けの作業基準のようなものはかいまみえますが…。

キュリーを求める手順として、
1)1kgの汚染土(Bq/kg)を表面積で割る。
2)表面積は汚染土の採取する深さによって変わる
3)最後に、㎠あたりのキュリー3.7で割る

でしたね。

深さ5㎝と、10㎝の表面積の違いは、イメージできますね。

以下の図にまとめてみました、汚染度の深さによって、キュリーの値がこんなに変わってきます。

チェルノブイリ法のキュリーでの土壌区分をもう一度、チェックしておきましょう。

環境省のホームページをみると、のり面にしてつみあげて、上からコンクリートで固める予定なのでしょうか?
どのくらいの高さをつみあげるんでしょうか?


環境省 フクシマ県内で発生した除去土壌について

福島未来コラム

今回の環境省の説明によると、「作業者が、安全に作業できる」と言ってるだけで、それらの土壌が安全だとは一言も触れていません。
また、あえて言及しない方法ですね。

そして、ものすごい高い汚染値のとなりに 8,000 Bq/kgの土壌の図を並べておくと、とても少なく見える…工夫がされています。
これって、誰への思いやりなんだろう?

福島県民に、「とりあえず30年、汚染土壌置かせてもらうから」という約束を守るために、日本各地へ汚染を拡散させるということなんでしょうか?
しかし、チェルノブイリの60年、セシウムが減衰するまで待つ!作戦と比べると、被ばく者を増やすことにならないでしょうか?
しかも、その汚染土壌を除いたとしても、そこへ帰還などできるでしょうか?
原発事故の処理がまだ終わってないのに。

核燃料ごとふきとんだ汚染物質って、そもそも、高レベル核廃棄物として、扱わないといけないのではないか?
セシウムだけではないのだから。

ゴルバチョフ大統領に、汚染地図をたたきつけた科学者の方が言ってました。
「たとえば、コンクリートの土台をつくり、その上に汚染された土や、あるいはいろんな汚染されたものを置いたとして、それはいずれひび割れ、雨水が入り込んで、地下水汚染になってしまうんだよ~、そこまで考えないといけないんだあああ」という半ば、解決方法がないから、どうしたらいいだ?と。
出口のないトンネルの中にいる感じでした。
いったいぜんたい、どうなってしまうんだ、と。
チェルノブイリ原発そのものをドームで覆ってしまってることは、雨水にあたらないという点では、最悪の状況を少しでも回避する作戦に思えます。
もちろん空間線量をあげないような配慮もあるかと思います。

日本はベラルーシよりもはるかに雨水、洪水の多い国で、時間がたって地下水が汚染されたり、のり面が破壊されて洪水と一緒にながされてきたらどうなるんだろう?

出口のないトンネルの入り口もふさがれて、生き埋めにされてる感じ。
というわけで、愛がないと、ここまでできるんだな、という感想でした。

環境省 リサイクル対策部
原発事故前は、日本は100Bqの低汚染物質はドラム缶にいれて保管してきました。
事故後、8000Bqは再利用できることになりました。
決して、それは安全な土だとは言ってません。

しかも、8000Bq/kgという言い方をするのだろう?
日本は、熱烈な空間線量学派なのに。
空間線量の外部被ばくですべて説明できるとして、ヒロシマナガサキでも内部被ばくを認めることに抵抗してきたのに。
8000Bq/kgを空間線量で言えない事情があるんでしょうか?

IAEAが出てくる時、イヤな予感しかないです。

IAEAと戦って、除染は作業者の被ばくになるし、高価がないとして移住政策をおし進めた科学者たちのつくった未来予想図。
くしくも、チェルノブイリ60年後のこの時期、日本は、中間貯蔵施設しせつから、移住レベルの汚染土を全国に配布しようとしています。
二つの異なる科学は、存在する惑星が違うのでしょうか?

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