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1.52025
愛と放射能の天秤 4 キュリー(Ci)ってどんなだ?
チェルノブイリ原発事故のときの、土壌汚染を表す単位、キュリーのままで、説明をさせていただいています。
いまさら、なぜ?
なぜならば!
現在、私たちが使用してる、Bq/㎡という単位は、法的な性格を持っていないから、国民から見て、意味のない単位と言えます。
なぜ、意味がないないか?
チェルノブイリ法は、原発事故での放射能による被害を受けた国民への「社会保障プログラム」だと理解していただければいいかと思います。
そして、図にあるように、旧ソ連のロシア・ベラルーシ・ウクライナでは、土壌汚染に基づいて、このように、方針を決めました。
1991年の初頭にそれぞれの共和国で成立させたチェルノブイリ法も、1991年末に旧ソ連そのものが崩壊してしまったので、その法律の施行レベルは、バラバラです。
(ベラルーシとウクライナでは、その施行レベルに差があったためか、コロナ前の死亡率で大きな差が出ているようですが、これはまた別の機会に考えてみたいと思います。ウクライナは世界のトップ3に入る死亡率の高さです。汚染面積の深刻さはベラルーシのほうがひどかったと言われています。)
1)健康管理…は国が責任もって汚染地域に住む住民たちの、健康診断、保養などさまざまなプログラムを通して、病気の予防が義務付けられています。
ここがだいたい、年間総被ばく線量1ミリシーベルトと考えたらいいと思います。
2)移住の権利…これは、大変つらいものですが、自分たちで移住するかどうか決めてヨシというエリアです
3)避難義務…実質的には居住できないというエリアです
4)40キュリー以上も居住禁止ですが、これらはチェルノブイリ事故の時に高汚染だった地帯とされています。
つまり、原発事故対策の先輩国ではどういう法律をつくって、国民を守ろうとしたのか…ということが決まっており、それは、土壌汚染をもとに、プログラムが分かれてる…と説明できます。
もちろん、経済的に困難があったので、原則通りに、明日からこうね、というふうにいかなくても、時間をかけてもやってくる、それがベラルーシやロシアのやり方のように思います。
さて、そのキュリーと比べないと、実際我々はどうなのか?ということがわかりませんよね。
このブログでは、小学生や中学生が読んでもわかってもらえるように、簡単なアンチョコをつくってみました。
(これは面積の拡大の単位の換算のしかたを応用しています。㎠⇒㎡は10000倍。㎡⇒㎢は1000000倍)
1キュリーというのは、37,000,000,000 ㏃。
1㎢にそれだけあれば、1キュリーの汚染と表現しています。
先ほどの地図でいえば、0.5キュリーから健康管理の対象になっています。つまり法的意味があるわけです。
そして㎡単位は現代の私たちが使用してる「法的に意味のない単位」に換算すると、37,000 Bq/㎡ ともいえるわけです。
おまけに㎠あたりでは何ベクレルか…? 3.7 Bq/㎠ です。
これに意味があるかないかといえば、あるかも…しれません。放射線管理区域(日本の)が、4 Bq/㎠です。
つまり、1キュリーの土壌汚染があれば、日本の放射線管理区域の法律でいえば、そこで飲食したりしてはいけないエリアだと推定できます。
つまりそこには、子どもが出入りしてはいけないし、人は住んではいけないと誰でもがわかります。
Bq/㎠、Bq/㎢は、Bq/kgに換算もできます。
そうして、換算してみると、深さ5㎝の汚染土壌から1kgを採取して569 Bq/kgあれば、1キュリーです。
もし、深さ10㎝の汚染で 569Bq/kgであれば、2キュリーになります。
先ほどらい、意味のない単位だと見下してる Bq/㎡での 原発事故直後の記事がありましたので、ちょっと見てみましょう。
55.5万Bq⇒ 555000 Bq/㎡ です。ここがチェルノブイリで言えば強制移住だと。
さきほどの、アンチョコでみると 1キュリーは 37,000 Bq/㎡ですので、これを割ってみましょう!
15キュリー!って当たり前ですね。アンチョコですから。
というわけで、チェルノブイリの強制移住ってどのくらいなのかよくわかったのではないでしょうか?
しかし、この計算方法は土壌汚染が5㎝ぐらいを前提しています。
汚染がもっと深ければ、キュリーもあがり、状態は深刻になります。
もし、理系のかたがいらしたら、
採取した土壌汚染から、キュリーを導きだる計算方法は、矢ヶ﨑克馬先生からご教授いただき、youtubeでご紹介しております。
そちらのほうをご参考にしていただければと思います。
「チェルノブイリのキュリーってどう計算するの?教えて矢ヶ﨑克馬先生」
3分ぐらいから12分ぐらいまでの間で、計算方法を述べられております。
個人的にご教授いただいてる画像なので見えずらくて申し訳ありません。
取り直す…案も出ていますが、そのまえにまた原発事故が起こることもあり得る地震の増加…。とりあえず、公開を優先させていただきました。
空間線量でものごとを考えてると、とんでもない人たちに、だまされることもあるわけです。
チェルノブイリの科学者たちや救援グループが許せないと思ってるIAEAや日本人医師のように。
チェルノブイリとフクシマの放出量うんぬんという解説もありますが、放出された死の灰によって、土壌がどのくらい汚染され、そこから国民をどう保護するか?チェルノブイリの科学者たちはこう考えた。
彼らより豊かな国の日本がもっと厳しく手厚い法律をつくれると思います。
つまり、日本ではどれほど汚染された土地であっても、法律で、居住させてはいけないと決まってる法律がなく、帰還しろと言われたら還るしかない。
おもいつきの王様ルールで動いてるように思います。
キュリー夫人も被ばくされすぎて、再生不良性貧血でお亡くなりになりました。
日本独自の基準がないのは、放射能だけではなく、フッ素化合物や、枯葉剤、トランス脂肪酸などあらゆる規制が、ゆるゆるです。
結局、他国の基準と比べてどうだ?という、比べっこで、ものごとを判断するしかない。
独自の基準を作らないことで、誰の責任も問えない…。
国民を守ろう!という愛が感じられない悲しさ。