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ベラルーシのリスクグループの設定は?

先日、東海村役場に車でつっこんだ事件がありました。
その方が、東海村のJCO事故で被ばくしたかもしれないのに、対応に不満があったと報道されておりましたの。
とても、胸がいたく、その方のために、あるいは同じように取り残されて、悲しんでる方のために小さな動画をつくってみました。
チェルノブイリ事故での膨大な被災者に対して、ベラルーシではどのような対応をしてるのでしょうか?
2010年(チェルノブイリ事故から約24年後)で、約140万人が国による健康管理の対象となっているそうです。

映像は、チェルノブイリのリスクグループの設定という考え方のご紹介を極力、簡単にご紹介させていただきました。
(映像ではカテゴリー別に4つにくくりましたが、ベラルーシ政府報告書では健康診断項目別に7つに分けられています。実際にはもっと細かいのですが、それは彼らの科学的見地からということで、人々を切り落とす…ためではないです。)
細かく伝えすぎるとわからなくなりますし、それは医学者が読めばいいことなので、どういうふうに、国民が保護されてるのか、という視点で、まとめさせていただきました。
 重要な点は、これらのリスクグループの設定により、140万人のかたが、毎年健康診断を受けてるということではないでしょうか?
自分が被ばくしたかしないか…そのような気持ちで何年も何十年も過ごすより、さくっと登録して健康診断をし続けてもらったほうが、安心ですし、そうでもしないかぎり、被ばくについてのデータなど出てくるわけもないと思います。
放射能が見えたらいいのにな、ってずっと思っています。

 本当に簡単にしすぎたものですので、ご興味のあるかたに概要を文章で紹介したいと思います。 
 チェルノブイリ法は200にわたる周辺法を作り続け、さらに厳しいほうに更新しつづけてると、2011年当時、ベラルーシ大使にお話をお伺いしました。 
 チェルノブイリ法は土壌汚染の実測値で汚染地図をつくり、何年後に戻れるかどうか、という国家計画に基づいて住民の避難計画などをたてています(空間線量で政策を立ててはいません)。
 チェルノブイリ法での健康被害に関して、リスクグループを設定して、国が病気にならないように定期健康診断をしております。そのリスクグループの分類について簡単に触れてみたいと思います。
 ベラルーシと日本はどちらも被ばくの苦しみを背負ってる国ですが、被ばく認定の考え方もずいぶん違います。ベラルーシの場合は、認定というより登録と言ったほうが実態に近いと思います。
 ♪第一リスクグループ:事故処理作業者(①1986~87年に立ち入り禁止区域で事故処理作業に従事したもの ②1986~87年に第一次移住対象区域、第二次移住対象区域で作業したもの ③1988~89年に避難区域内で事故処理作業したもの④チェルノブイリの事故処理作業従事者➄チェルノブイリ以外の原子力施設で被災) 

♪第二リスクグループ:移住者①1986年の避難者、移住者、自主避難者 

♪第三リスクグループ:汚染地に居住あるいはチェルノブイリ障がい者①第一次移住対象区域や第二次移住対象区域にある汚染地域に居住するもの ②原発事故後に①から移住したもの、自主避難したもの。③移住権利区域に居住 ④定期放射線管理区域に居住 ④急性白血病、甲状腺腫、甲状腺がん、そのほかの悪性腫瘍を発症した子どもや未成年、チェルノブイリ事故の影響による障がい者。 

♪第4リスクグループ:1~3のグループの子ども、あるいは子孫。 これらの人々には、そのリスク評価によって、検査項目の違いがありますが、健康診断のプログラムがあります。 

さらに、このリスクグループの中から、
リスク集団A(1986年避難区域にいたもの、ほかに条件もあり)、
リスク集団B(汚染地に居住、あるいは高濃度汚染地から移住した事故時0~18才のもの、つまり1968~86年生まれ)
リスク集団C:2年またはそれ以上の機関に内部被ばく線量が年1ミリシーベルトを超えたことが複数回あったもの。  
 重複してる内容も多く、整理させていただきましたが、かなり広範囲かつ細かく、想定されてます。2010年1月1日段階で、健康観察制度の対象者が142万9570人(成人116万297人、未青年5万7204人、子どもが21万2069人)。
 2009年の健康診断受診者は140万6524人で98.4%とのこと。
 以上、ベラルーシ政府報告書(産学社)2013年発行

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