小児甲状腺がんに「しきい値」はありません(ベラルーシ医学アカデミー)1

チェルノブイリ原発事故は1986年。1988年にベラルーシの女性の医師が、2名の小児甲状腺がんを発見し、「これは放射線由来ではないか」と疑問を持ちましたが、IAEAは否定しました。

そして、1991年、チェルノブイリ国際調査委員会(IAEA、団長:重松逸造氏広島市放射線影響研究所所長)が「ベラルーシは海がないのでヨーソ不足の風土病」であると結論づけました。また、ヒロシマ・ナガサキの事例よりも「発症が早過ぎる、10年後から急増するはずである」と主張しました。被ばくによって甲状腺がんが増加する。

しかし、ベラルーシの核物理学者であるワシーリ・ネステレンコ氏は、大人と子どもを合わせた手術の実数が急増してることから、チェルノブイリ事故で放出された放射能のせいであると訴えていました。

ここで、普通に疑問がわきます。

チェルノブイリ原発事故は、ヒロシマ・ナガサキよりも高線量の被ばくをしたのでしょうか?

ベラルーシの小児甲状腺がんの問題に、親子2代にわたって取り組んできたユーリー・デイミチク医学アカデミー所長は、「小児甲状腺がんにしきい値はない」と明言されています。ですから、ベラルーシでは早期発見、早期治療に務めています。

ギリシャでも、チェルノブイリ事故後、数年後に甲状腺がんが増加しています。乳頭癌が激増してるのがわかります。
(出展:チェルノブイリ被害の全貌 ヤブロコフ著)

特に日本は、数年後に15才~19才の子どもたち(女子)に、そして20歳以上の子どもたちのグループで甲状腺がんが増加してることがわかります。

そもそも、チェルノブイリ原発事故のときに、子どもたちにヨウ素剤を飲ませていたら…と多くのベラルーシの科学者たちが後悔をしています。

事故後の6日後の5月1日のメーデーに、平静を装うために子どもたちに行進をさせたことも、大きな後悔だと言われています。

また、事故のときに汚染された同じ食品をを食べたり飲んだりしていた兄弟でも、発症してる子と発症していない子がおり、条件の違いなど、詳しいことはまだわかっていません。

小児甲状腺がんの多発は、人間がつくりだした病気なので、治療も治験にしても、まだ30年分の蓄積しかありません。

毎日、ホルモン剤を飲む生活でが、子どもたちは成長し、結婚し子どもを産んでいくことができます。

副作用が厳しいので、心臓が痛くなったり、身体がしびれるような感覚が襲うこともあります。

心を平静に保つためにも、仲間同士、励まし合うことも大切です。

ベラルーシの場合は、「チェルノブイリの障害者」として認定をされます。

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